第29回『これからのIFRS導入のゆくえ~SECの議論展開を中心に』

日時 2012年5月16日(水)16:00~17:30
場所 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク会議室(港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル21F)
出演者 高田橋 範充 氏(中央大学専門職大学院 国際会計研究科 教授)

■ 講演の概要

IFRSを適用するか。適用するとしたらいつなのか。この問題については、日本だけではなく米国でも、経済や政治状況が複雑に絡み合い、さまざまな議論が飛び交っています。大きな影響を持つ米国においても、IFRSを適用するのか否かについて、「コンドースメント(※)・アプローチ」という概念が明確化されたことで、IFRS導入の現実味が帯びてきたという意見もあります。日本で行われているIFRSの適用可否の議論とは異なるレベルで議論が進行していると言えるでしょう。
IFRS導入の本質についての根本的な議論を理解するためには、日本だけでなく、海外で行われている議論を把握することが必要です。特に、米国SECの対応を知ることで、上場企業として備えるべき点が明確になると思います。
また、昨年より、IFRSで用いられた概念が新しくなっており、New IFRSともいえる考え方も登場しています。New IFRSは、新しい会計というより、伝統的な会計の考え方の延長にあるともとられられます。このように、IFRSは、急速に変化し、米国の対応も変わりつつあります。
本講演会では、海外のIFRS事情に詳しい中央大学専門職大学院の高田橋範充教授に、米国SECにおける新しいIFRSへの対応とNew IFRSを中心に、ご解説いただきます。

※コンバージェンス(Convergence=収れん)とエンドースメント(Endorsement=承認)をかけ合わせた造語

■ 出演者紹介

高田橋 範充(こうだばし・のりみつ)
中央大学専門職大学院 国際会計研究科 教授

1958年生まれ。中央大学商学部卒業。公認会計士2次試験に合格後、中央大学大学院経済学研究科博士後期課程修了(経済学博士)。福島大学助教授、中央大学経済学部教授を経て現職。2007年から1年間、クイーンズランド工科大学客員教授。
著書に、『導入前に知っておくべき IFRSと包括利益の考え方 』(日本実業出版社)、2010年